【2022年版】工事現場における環境改善事例 ~前編~
現場の従業員満足度を上げたり、労災を防ぐためには、さまざまな角度からの環境改善が大切です。
しかし、改善を検討していても、どのような施策を導入すべきかわからず、問題を放置してしまうケースは少なくありません。
このような現状を打破するためにおすすめなのが、他現場の改善事例をチェックすることです。
他社の例を自社に置き換えることで、必要な対策や具体的な方法が見えてくるのではないでしょうか。

工事現場のICT活用について
建設業界における「働き方改革関連法」の2024年適用に向けて、政府は多様な施策を推進しており、その一環としてICT(Information and Communication Technology/情報通信技術) 活用を推奨しています。
そこで本記事では、さまざまな改善事例の中でも特に、デジタル変革が進みづらいとされる現場におけるICT活用の事例についてご紹介します。難しく考えられがちな分野ですが、身近なところから進めていくことで、一人一人の作業効率や生産性の向上へとつながっていきます。
どうぞ自社の現場の環境改善にお役立てください。
環境改善事例
施工ミスのチェック
課題
現場でのトラブル発生は極力避けたいところですが、施工ミスなどの不具合が発覚して、トラブルになることは往々にして起こります。
ですが、近くに上司や同僚がいることは稀であり、工事責任者以外のほとんどは作業員なので、対応できる人員は限られています。現場は市街地から山奥までさまざまなところにあるため、場所によっては応援者がすぐに駆け付けられないこともあるでしょう。
また、応援に行くとしても、電話やFAXなどのアナログな連絡手段では、現場の状況が正確に把握できず、誰を向かわせれば良いか、バックアップとして何をすべきかを判断できずに、混乱に陥っている現場がまだ数多く見られます。
さらに、こうしたトラブルは最悪の場合、施主からの訴訟に発展するケースもあり、自社に甚大なダメージを与えかねません。トラブルを未然に防ぐためにも、こちらの課題には早急に取り組む必要があります。
対策

現場のトラブル発生時に迅速に対応する方法として重要なのは「正確な情報共有」です。特に施工ミスの場合は、詳細な状況報告が必要になります。
アナログな媒体は一見楽で早く伝わりやすいと思いがちですが、ミスが生じやすく手戻りの原因にもなり、何より情報のリアルタイム化や複数人とのコミュニケーションに向いていません。
そこで登場するのが、ICTのひとつであるビジネスチャットです。
ビジネスチャットとは、業務利用を目的として開発されたチャットツールです。社内外のメンバーとグループ単位でテキストや図面、現場写真、資料を安全にやりとりできるツールなのですが、トラブル発生時にも関係者全員にリアルタイムで報告でき、施工ミスなどの問題点を写真とメモで共有できます。
上司や本社のスタッフ、現場担当者、設計担当者などグループに含まれる複数の関係者が状況を確認できるため、是正指示を出しやすく、また多くの意見や知恵が合わさり、組織としての正しい対応が可能になります。わざわざ現場に出向かなくても状況を詳細に把握できるため、移動の手間も削減できます。
ICTをうまく活用し、通常作業の効率化と同様に、トラブル発生時の対応についても準備しておくことをおすすめします。
ビジネスチャット「direct」のおすすめ機能
撮影した写真にその場でメモを書き込んで送信。リアルタイムな指示出しで現場業務を効率化
「directの基本機能/データ共有」
導入事例
株式会社大林組様
協力会社との連絡を密におこなうためのツールとして活用
株式会社ヤマウラ様
関係者全員がリアルタイムに情報共有できる!
熱中症予防対策
課題
昨今、年々平均気温が上昇していることで、現場における熱中症のリスクが深刻化しています。熱中症を発症すると、身体の活動機能が急激に低下するため、業務に大きな支障をきたすだけでなく、最悪の場合意識障害や死亡する恐れもあり、現場における熱中症予防対策は必須と言えます。
しかし、さまざまな対策が積極的におこなわれているなか、作業員の健康管理においては手をこまねいたままの企業は数多くあります。作業員の現場配置は広範囲に渡るため、職長などが一括で管理し、一人一人に顔色確認や注意喚起を促すことはこれまで困難とされていたからです。
対策

作業員の健康を管理し、熱中症を未然に防ぐために必要なのは、個々の作業員の体調を日常的かつ定期的に「見える化」し、的確に把握できるシステムを構築することです。
管理者側が作業員の健康状態を集約し、データとして蓄積することで、いつもの状態を見守るだけでなく、些細な違いに気づくことができます。また、取得したデータを分析することで、作業員の労働環境を理解でき、具体的な対策の強化へとつなげることもできます。
付加すると、導入するシステムについては、簡単に操作ができ、作業員にとって負担なく運用できるものが望ましいと言えるでしょう。
ビジネスチャット「direct」を活用したおすすめツール
1日5回チャットボットの質問に回答するだけで熱中症予防!結果はExcelで出力して効率的に管理できる
「熱中症予防チェックボット」
感染症予防対策
課題
新型コロナウイルス感染症が流行し、建設業界にも大きな影響が出ました。これからはwithコロナ、そしてコロナだけではないさまざまな感染症も踏まえた、業界の立て直しが重要な課題となっています。
感染症予防対策の中でも不可欠なもののひとつが、国土交通省から出されている「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」にもある、従業員や作業員の健康管理です。自社や現場においても、すでに独自の健康チェックシステムを実施・導入されている企業がほとんどかと思います。しかし多くは、従業員や作業員が紙に記入し、管理者がその紙を回収して、必要に応じてデータ入力をおこなっているなど、健康管理に手間と時間を要してしまっているのが現状ではないでしょうか。
対策

前述の熱中症対策同様、組織における健康管理に重要なのは、個々の体調を効率的に「見える化」し、早期に異変がある従業員や作業員に声がけできる仕組み作りです。
特に感染症は状況が刻々と変わるため、対応を誤ると感染が拡大し、クラスターにつながりかねません。感染症予防対策には、熱中症と比べ、より情報収集のスピードとその時々の状況に対応できる柔軟性が求められます。
現場作業はフィールドワークで、従業員や作業員は基本的にリモートワークができません。また、日本経済の要である建設業の現場は、ほとんどの場合止まることなく稼働します。現場に関わる方々やその家族の安全と健康を守るためにもITインフラを整備し、いかなる状況でも慌てず・確実に・素早く対応できる体制を作っておきましょう。
ビジネスチャット「direct」を活用したおすすめツール
その日の体調をチャットボットでチェック!ヒアリング項目は自社に合わせて自由に変更可能
「コロナ予防チェックボット」
導入事例
まとめ
建設業界は今「働き方改革」という大きな課題に向き合う時がきています。
そのためには、建設業界全体が現状で顕在化している課題を正しく認識し、未来を見据えた組織改革に取り組む必要があります。
人や資金といったリソースをどこまで割けるかは、各々の企業や現場によって異なると思いますが、まずは情報共有の効率化、物理的なトラブル対策、社内&現場内教育の簡略化などで、ICT化を検討されてみてはいかがでしょうか。
小さいところからでも無駄を省いていくことで、現場の環境が少しずつ改善し、生産性の向上や、若手の増加といった建設業界が抱える課題に対処していけるかもしれません。
ビジネスチャット「direct」は、現場に特化した機能で、建設業界の働き方改革推進をサポートします。