全国65店舗のスタッフと本部との情報共有に「direct」を活用
他店舗のVMDを共有した店づくりが可能になり、店舗間交流が復活
株式会社TSI
- 第4事業ディビジョン ナノ・ユニバース事業部
店舗運営セクション統括エリアマネージャー
阪口 香織 様
- 店舗開発/支援ディビジョン
販売支援部
店舗支援課
渡辺 有愛 様
- DXディビジョン推進部
コーポレートシステム課
附田 遥 様
株式会社TSIは、国内外にグループ会社を持つ大手アパレル企業です。ナチュラルビューティーベーシック、マーガレット・ハウエルやパーリーゲイツなど人気の高いブランドを手掛けています。
TSIの中でも人気を誇るナノ・ユニバースは1999年にセレクトショップとしてスタートし、メンズ・レディースともに幅広く展開してきたブランドです。この度大胆なリブランディングをおこない、LB.01からLB.06までの6つのレーベルを新たに作り、従来のセレクトショップではなく、「ジャパン・メイド・トラディショナル」「モダン・ヴィンテージ」「シーズナル・ワードローブ」のブランドセレクトからなるマルチレーベルストアを展開し、生活に役立つファッションや情報を知恵として提案することを活動としています。
直営28店舗、アウトレット7店舗、フランチャイズなども合わせて合計67店舗を運営しています。
全国に販売チャネルを持っていたことに加え、今回のリブランディングも勘案するとスムーズなコミュニケーション体制の構築は外せない、ナノ・ユニバースのブランドを展開する中で「direct」でどのようなコミュニケーションを図っているのか、お話を伺いました。
POINT
課題
導入の
決め手
活用・効果
コロナ禍でコミュニケーション課題が顕在化
「direct」を導入するまでは、プライベートで利用しているチャットツールを業務でも使っていました。迅速に連絡が取れて便利ではあったのですが、就業時間外にも業務連絡をしてしまうなど公私混同の課題もありました。オフィシャルに導入しているツールではないこともあり、運用ルールも各部署や店舗・スタッフごとにバラバラで、本部としても「就業時間外の業務連絡は避けましょう」といった注意喚起以上のことはできていませんでした。
また本部から従業員への連絡にも課題がありました。本部からの連絡は各店舗に置いてあるパソコンのメールアドレスに届きます。店長やチーフはそれを確認して、スタッフに連絡を取らなければなりませんでした。コロナ対応などで緊急の連絡をおこなう際には1件ずつ電話を掛けなければならなかったので非常に大変でした。
そこで、仕事とプライベートを分けられ、さらに本部・店舗・スタッフの間でスムーズな連絡ができるツールを探していたところ、「direct」に巡り合いました。
まずは本部スタッフから導入、現在は全国の店舗スタッフに利用を拡大
ナノ・ユニバースでは2年前から「direct」を使いはじめました。まずは本部スタッフから導入し、昨年の秋頃からはアルバイトも含めた店舗スタッフ全員に利用を広げました。メールアドレスを使わずにアカウントを作成できる「管理機能」は、個人情報保護の観点からすると大きな利点だと感じています。
実は、店舗スタッフ全員に利用を広げようというのは社長の方針でした。
コロナ禍の影響もあり、本部と店舗スタッフの距離が離れがちだという問題意識がありました。従来は、社長からのトップメッセージは本部を介して流していたのですが、社長の想いを直接伝えたいということで、アルバイトを含めたスタッフの皆さんに「direct」を入れてもらいました。今では「ダイレクト 2.0」で新たに実装された掲示板機能で、社長のメッセージを伝えています。
トークルームごとに通知オン・オフを設定
プライベートを邪魔しない「direct」でビジネス用の連絡体制を実現
導入してよかった点は多くあるのですが、トークルームごとに通知のオン・オフを設定できることは特にありがたく感じています。緊急性の低いトークルームなどは休日には通知を切る一方で、緊急連絡用のトークルームは常時オンにするなど、設定の使い分けをお願いしています。その上で、地震などの災害時には緊急連絡をして未読の人にだけ個別に対応するなどの体制を整えました。公私の区分が曖昧になっていることがそもそもの課題だったこともあり、不急の連絡でプライベートの邪魔をしなくて済むようになったのは大きいです。
本部と店舗の情報確認にはアンケート機能を活用し
やりとりに割く時間を短縮したことで業務効率化を実践
店舗で働くスタッフには、なるべく店舗運営に集中していただきたいと考えています。本部としては店舗と連絡が取れないと困りますが、本部との連絡に時間を過剰に割いてもらうのは本意ではありません。
エリアマネージャーや店長は非常に多忙で、店舗で接客をしつつ他の業務もしなければなりません。そこで本部とのやりとりに、「direct」のアンケート機能を使って簡単に意思確認をしていただくようにして業務負担の軽減に役立てています。アンケートの形にして投げればクイックに返信ができるので、各店舗と本部とのやりとりに割く時間が短縮されました。
店舗から本部へワンストップで情報を伝達
他店舗との垣根のないやりとりで、コミュニケーションが活性化
全国の各店舗から本部へVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の報告や共有などで「direct」を活用しています。専用のトークルームに週に1回、各店舗でそれぞれ考えたVMDについて意図や店舗写真などを「direct」のノート機能に投稿してもらっています。
従来までは店長が携帯で撮った写真をパソコンに取り込み、そちらをアップロードした上で展開意図や内容のコメントを記入していました。しかし今ではスマートフォンで撮影した写真をそのまま「direct」に投稿できるため、大幅な時間削減につながっています。
また、本部と店舗とのやりとりだけでなく、店舗スタッフ同士の双方向コミュニケーション活性化にもなっています。名前しか知らない他部署のスタッフや他エリアのお店に勤務するスタッフにも、「direct」で気軽に連絡が取れています。従来は電話で連絡していたのですが、電話はそもそもハードルが高いことに加え、相手が忙しいかを気遣わなければなりません。コミュニケーションにまつわるストレスが軽減されました。
VMDを共有する場を設けることで
他店舗を参考にしたVMD作りが可能に
VMDは、エリアごとに分かれたトークルームにアップロードされます。投稿するのは該当エリアの店舗のみですが、すべてのトークルームではエリアを問わず内容を見られるようになっています。
今までも店舗のパソコンにはいろいろな情報を本部から送ってたのですが、実際には役職やランクによってパソコンを自由に触れる人は限られていました。それが「direct」を使うことで、入社2日目のスタッフや半年しか働いていないアルバイトの方でも他のお店の展開や売れ筋を見ることができています。その結果、他の店舗の展開をVMDを把握できるのは刺激につながっているようです。
コロナ前は定期的に店長会や各シーズン前の商品説明会を実施していたのですが、その機会も失われてしまいました。しかし「direct」だと物理的に集まらなくても他店舗の状況がつぶさに分かるので、スタッフからはすごく好評です。お洋服というものは、売り手側の狙いよりも、お客さまの感じ方のほうがよほど重要です。普段お客さまと接している他店舗のスタッフのVMDを「direct」を通して知れたことで、お客さまの温度感をきちんと反映した店舗作りが可能になりました。
ナノ・ユニバースでは、本部からのバックアップを有効に使いつつも、各店舗の創意工夫でお店ごとのVMDを作って魅力を発信してほしいと考えています。「direct」であれば各店舗のクリエイティビティをスマートフォンからいつでも見られるので、週末に合わせてマネキンの組み合わせをクイックに変えることもできています。
また、自分のお店の売り場がどういった意図で作成されているのかをスタッフが見られることも大きいようです。店長はスタッフに口頭でも伝えるのですが、すべてのスタッフが毎日顔を合わせるわけではありません。「direct」を通して、どういった意図で作られているのかが店舗内でもスムーズに共有されているように感じています。
「direct」を使うことでブランドの壁を超えた協力体制を築きたい
そのほかにも、ExcelやPDFなどのファイル送付にも利用しています。弊社のシステム上、メールはフォルダがいっぱいになる前に削除しないといけなかったので、重いデータを送り合うときにありがたみを強く感じます。勝手に削除されることはありませんし、検索機能を使えば古いファイルでも探し出すこともできます。
スタンプもよく使っています。コミュニケーションがオンラインになると細かいニュアンスが伝わらず、誤解や温度感の違いが生じてしまいがちです。メッセージにスタンプを添えることで雰囲気も和らぎ、気持ちもうまく伝わるような気がしています。
いちいち文章を打つのが大変な場面でもやはりスタンプは便利です。テレワークの開始・終了の挨拶をスタンプでおこなうことで、お互いの勤怠や出社・リモートなどを把握できます。誰かにメッセージを送る際に勤怠管理システムを確認する手間が省けるので、「メッセージを送った相手がお休みだったら申し訳ないな」などと考える必要もなくなりました。
今後は、ナノ・ユニバースだけでなくTSIグループ全体としての運用もおこなっていきたいと考えています。具体的には、同じ館に入っている別ブランドのスタッフを融通できないかと画策しています。特にコロナ禍で、お店の人数が足りなかったり逆に余剰人員が出てしまったりといったことが頻繁にありました。ブランドの垣根を超えた協力体制を整えて、他のブランドからヘルプを呼ぶことで安定した接客を実現させたいと考えています。
※記載内容は2022年6月時点のものです。