建設・住宅・不動産

インド人スタッフとコミュニケーション強化
任された業務が明確化され、抜け漏れ防止やリスク管理に貢献

株式会社フジタ

  • 国際事業部 南アジア部
    芹沢 雄太郎 所長

株式会社フジタは、総合建設業として100年以上の歴史を誇る会社です。2013年より大和ハウスグループの一員となり、2015年には大和小田急建設と経営統合して、都市再生事業や海外進出などさまざまな事業を推進しています。同社が担う海外作業所の1つに、インド バンガロールの作業所があります。日本とインドで仕事の取り組み方や言語に壁がある中で、ナショナルスタッフ(*1)と信頼関係を築き、プロジェクトの安全や品質を守っていくための手助けのひとつとなったのが「direct」でした。
今回は、文化の異なるナショナルスタッフの思いを尊重しながら作業所を束ねる作業所長に、「direct」の活用でどのようにコミュニケーションが変わったのか、お話を伺いました。

POINT

課題

導入の
決め手

活用効果

日本とは仕事の取り組み方に違いがあるインドの作業所
現地の強みを尊重しつつも、品質を確保

⸺インドの作業所について教えてください。

現在私が携わっているのは、インドのバンガロールという場所にある、日系企業の工場の増築工事です。約10か月という工期の中、協力会社の作業員を含め最大300名弱の関係者のもとでプロジェクトを進めています。日本人の私以外は全員現地のスタッフです。スタッフ同士のやり取りは英語がメインで、その他にもヒンディー語やカンナダ語といった現地語が飛び交う作業所です。そのため掲示物は、英語を含め計3言語を用意したり、イラストなどを織り交ぜたりといった工夫をしています。

⸺仕事をする上で感じる、日本とインドの違いについて教えてください。

完成品に大きな差はありませんが、仕事の取り組み方に違いがあるように感じます。日本では綿密に計画を立てて進めることを重視しますが、インドでは状況に応じて柔軟に工夫を凝らす「ジュガード(※「即席で独創的な創意工夫」という意味)」という文化が根付いているのです。
そのためギャップを感じることもありますが、安全や品質管理については日本の基準やルールを重視しつつも一方で、品質を達成するための過程や進め方については、ナショナルスタッフの自発性や創意工夫を最大限に尊重し、現地の強みを活かしながらプロジェクトを進めています。

インドに駐在し、プロジェクトを推進する芹沢所長

インド人スタッフも直観的に使えた「direct」
自発的な意見を言いやすい場所に

⸺「direct」はどのように利用されているのでしょうか?

全ナショナルスタッフをはじめ、日本の本社の社員を加えた約40名が参加するトークを1つだけ作成し、作業所に関わるあらゆる連絡や指示を「direct」でおこなっています。情報を1つのトークに集約して「見える化」することで、良い点も悪い点もオープンに伝えられる場所として活用しています。

また、ナショナルスタッフの中にはメモを取るなど記録に残して仕事をすることが不得意な人もいるため、「direct」でタイムリーに情報共有することで補っています。一覧で既読・未読が分かるため、伝わったかどうか確認できて安心しますね。
直観的な操作性のため、ナショナルスタッフへ勉強会などを開催しなくても問題なく使用でき、助かっています。

⸺「direct」を利用する上で意識されていることや工夫されていることはありますか?

すべてのやりとりを可視化するにあたり、ナショナルスタッフが「direct」上でも課題や改善点を報告しやすい環境作りに取り組んでいます。言語や文化に違いがある中でも、重要な情報の共有がスムーズにおこなえるようにすることで作業所の透明性を高め、より良い業務環境の実現を目指しています。

芹沢所長とナショナルスタッフの皆様

⸺ナショナルスタッフの方々との信頼関係が構築されているのですね。その他に活用している機能があれば教えてください。

トークでやりとりした画像を一覧表示できる「direct PhotoView」は、工事の進捗状況を写真で伝える際によく使用しています。

フジタ様の「direct PhotoView」の画面

写真加工機能で、撮った写真にメモを書き込める点も便利ですね。指で手軽に書き込めるので、手数が少なくスムーズに指示出しができ、業務効率化につながっています。
また、リアクション機能も積極的に使用しています。ナショナルスタッフの投稿には必ずリアクションし、頑張りはしっかり見ているということを伝えて、スタッフのモチベーションアップにつなげています。

ナショナルスタッフのメッセージには芹沢所長が必ずリアクションされている

「タスク機能」で指示内容を明確化、英語対応にも期待

⸺「タスク機能」を使用し始めた理由を教えてください。

作業所全体で必要なタスクを全員にシェアできていないことにやりにくさを感じており、「タスク機能」の活用を始めました。

「direct」の「タスク機能」は、作業所全体のやるべきことを、担当者や期限とともに可視化できます。現在「タスク機能」は日本語版のみですが、「未対応」「対応中」「対応済」という語句の意味を教えただけで、ナショナルスタッフもすぐに使えるようになってくれましたね。今後英語版が実装予定(*2)とのことで、期待しています。

⸺指示事項が発生してから、「タスク機能」に登録するまでの流れを教えてください。

指示事項が発生したら、まずは「direct」のトークに担当者をメンションしてメッセージを送り、メッセージからそのままタスクに登録できる機能を使って指示を出します。最初の指示はトークで送ることで、タスクに気づきやすくなるよう工夫しています。運用ルールとして、タスクを作成できるのは私をはじめ安全管理スタッフや品質管理スタッフなど計4名と決めており、混乱を防いでいます。
その他に、「direct」のトーク上のやりとりでタスクとして管理すべき有効な指示や要望があった場合は、私が拾い上げて「タスク機能」へ登録することもあります。

「タスクに登録」の押下で、トーク画面から「タスク機能」へ登録ができる

⸺タスクを作成してから「完了」になるまでの流れを教えてください。

タスク作成後は、ステータスに応じて各タスク担当者もしくは依頼者が「対応中」「対応済」へ変更します。「対応済」になったら私が最終チェックをおこない、問題がなければ「完了」にして終了です。文化が違うがゆえに指示内容の認識にズレが生じることもあるため、私が最終チェックをしてから「完了」にすることは徹底しています。
タスクの進捗は、週に一度のスタッフミーティングでみんなで確認し、現場の状況を把握できるようにしています。

フジタ様のタスク一覧画面
スタッフミーティングでタスクの進捗を確認している様子

⸺その他に「タスク機能」を活用する上で定めているルールはありますか?

タスク作成時や「対応済」にする際は写真を添付する、「対応済」にした際にトークへ通知が流れるよう設定するといったルールを定め、内容の明確化や手間の削減につなげています。
「タスク機能」は、スタッフも指示内容の振り返りができる上、「direct」内ですべて完結するので、とても重宝しています。

フジタ様のタスク詳細画面

⸺「タスク機能」で活用している機能はありますか?

ラベル機能でカテゴリー分けしたり、印刷機能で指示書を作成したりといった活用を今後していきたいと考えています。実はこれらの機能の存在は、L is Bさんに機能説明会をしていただいた際に教えてもらいました。「あったらいいな」と思っていた機能が実装されていたのを知り、さらなる効率化が期待できました。

今やるべきタスクが視覚的に理解しやすくなった
リスク管理やノウハウ蓄積にも貢献

⸺「タスク機能」を使う前と後で、どれくらいの変化がありましたか?

タスクを大きく分けると、品質基準を守るために対応がマストなタスクと、対応できればさらにレベルを上げることができる挑戦的なタスクの2種類があります。今までは、全体タスクの4割ほどある挑戦的なタスクはフォローが追い付いておらず、流れてしまっている点が気がかりでした。

しかし、「タスク機能」を利用したことで必要な対応が一目でわかり、「今できること」と「今回はやらないこと」を判断できるようになりました。担当者が実行できていないタスクに関しても、別の方法で解決を目指しましょうとフォローができるようになったのはよかったですね。

ナショナルスタッフも今何をすべきかが視覚的に理解しやすいようで、繰り返し指示を伝える手間が削減されました。期限の近いタスクや期限切れのタスクをリマインドする機能がある点も助かっています。

⸺「マストではないこと」も手掛けることで、長いスパンで見たときの大きな成長につながりそうです。

たしかに、そのように感じますね。
また「タスク機能」を活用して写真や書類を記録しておくことで、後々トラブルがあった際のエビデンスとなります。今後さらに成長していくためにも、指示や報告をノウハウとして残すことはとても重要だと思っています。その点で「direct」が非常に役立っているので、今後は協力会社とも活用するなど、いろいろ試していきたいですね。

  • *1・・・ナショナルスタッフ:海外の事業所で採用した現地社員
  • *2・・・2025年春より順次ご提供開始予定

※記載内容は2025年1月時点のものです。

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