金融・保険

オプションサービス

「しんきんdirect」で信用金庫業界のデジタルなコミュニケーション基盤を構築

信金中央金庫

  • 総合企画部
    しんきんイノベーションハブ
    上席調査役

    髙木 信良 様
  • 総合企画部
    しんきんイノベーションハブ
    副調査役

    福浦 智貴 様

信金中央金庫は、全国の信用金庫の中央金融機関として1950年に創立され、「地域の課題を解決する機能」、「信用金庫のセントラルバンク機能」、「機関投資家としての機能」を有しています。

信金中央金庫では、2020年4月に「しんきんイノベーションハブ」を新設して信用金庫業界のデジタライゼーションを推進しています。その取組みの一環として、信用金庫が強みとするFace to Faceをデジタル上で実現するため、L is Bおよび東日本電信電話株式会社の開発協力のもと、信用金庫業界独自のコミュニケーションツールとして「しんきんdirect」の提供を2021年1月から開始しました。「しんきんdirect」開発の意図や概要などをしんきんイノベーションハブの担当者に伺いました。

POINT

課題

導入の
決め手

活用効果

コロナ禍の影響で信用金庫とお客さまとの対面面談が制限される中、
Face to Faceでのコミュニケーションのデジタル化に向けて検討したことがきっかけ

信用金庫は全国津々浦々に254金庫あり、それぞれの信用金庫が地域の中小企業や個人のお客さまと密接に結びついています。これまで信用金庫では、お客さまと顔が見えるFace to Faceの関係を通じて築き上げた、確固たる信頼関係にもとづくビジネスを強みとしてきました。デジタル時代が到来するなかで、そのような信用金庫の良さを生かした新たなデジタルサービスを模索していたところ、2020年に入って新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本国内で猛威を振るい、お客さまとのリアルな接点を補完するツールの検討を開始しました。

信用金庫業界では、各種金融業務のシステム化については一定程度進んでいるものの、ラストワンマイルとなる職員とお客さまとの接点については対面を重視してきたため、非対面のコミュニケーションツールが行き渡っていないのが現状でした。一方で、地域のお客さまからは信用金庫に対して、日々さまざまな相談が寄せられています。お客さまと信用金庫の間で、これまで培ってきたFace to Faceの強みをデジタルでも活かすことができる新たなコミュニケーション基盤の確立が急務となったことが、今回の取組みのきっかけとなりました。

「しんきんdirect」キャラクター

優れたUI、セキュリティレベル、サポート体制から「direct」を選定

コミュニケーション基盤となりうるサービスを求めて、業務提携先である東日本電信電話株式会社と検討を進めていたところ、行き着いたのがビジネスチャット「direct」でした。

複数の候補の中から「direct」を選んだ決め手は、操作がシンプルなので直感で使える分かりやすさにあります。
信用金庫のお客さまは地域に根付いた中小企業や個人事業主、個人のお客さまが中心であり、また信用金庫職員も日々の業務に専念するなかで、高度なITリテラシーを必要とするツールはマッチしません。
こうしたなかで、他ツールと比較しても「direct」の分かりやすさは際立っており、検討においてはUIが優れている面を評価しました。必ずしもマニュアルを読んでくれるユーザばかりとは限りませんので、「直感的に使えるか」、「ユーザが使いこなせるか」といった観点は、たいへん重要な要素といえます。結果としてユーザからも「シンプルでとても使いやすい」という高評価を数多く頂いています。

また、セキュリティレベルの高さも「direct」を選んだ大きな決め手でした。金融機関がお客さまから預かっている情報は極めて機密性が高く、法令等遵守が求められる項目は膨大になります。そして、L is Bの充実したサポート体制。Q&A対応や操作研修など含めて総合的なアフターサポートを頂いています。これらすべてが揃うことで、全国の信用金庫および信用金庫のお客さまに安心・安全なコミュニケーション基盤として「しんきんdirect」を提供することが実現できました。

信用金庫業界独自のコミュニケーションツールとして「しんきんdirect」を2021年1月より提供開始。チャット、ビデオ通話、面談予約の自動受付機能を実装

2021年1月から「しんきんdirect」を信用金庫業界独自のコミュニケーションツールとして提供を開始しています。
現在「しんきんdirect」で提供している主な機能は、チャット、ビデオ通話、面談予約の3種類です。このうち、チャットおよびビデオ通話機能は「direct」の標準機能を活用し、面談予約機能を独自に構築しました。お客さまは「direct」専用チャットボットを利用して質問に答えるだけで面談を予約できます。

「direct」は信金中央金庫内でも活用しており、信金中央金庫と関連会社や外部連携先等とのコミュニケーションにも使っています。例えば、チャットを活用することで、リモートワークや国内・海外拠点との意思疎通など、電話を補完するツールとして、また電子メールほど堅くないちょっとしたコミュニケーションのツールとして、効果を発揮しています。

「しんきんdirect」なら、ビジネスチャットを通じてリアルタイムにコミュニケーションをとることができます。また、ファイル添付の禁止や端末制限など柔軟に利用ルールを設定することも可能です。

「しんきんdirect」画面1
「しんきんdirect」画面2
「しんきんdirect」画面3

「しんきんdirect」を信用金庫業界のコミュニケーションのインフラに

2021年7月現在、全国には254金庫の信用金庫があって、すでに50金庫超が「しんきんdirect」を利用しており、徐々に利用シーンを広げながら更なる普及を目指しています。

信用金庫の強みはFace to Faceに代表されるお客さまとのつながりの強さにあり、「しんきんdirect」はこの強みにデジタルのメリットを加えるものです。デジタルとリアルを融合させる切り札となるのが「しんきんdirect」なのです。

信金中央金庫は、地域社会の発展に向けて信用金庫業界全体の付加価値の拡大および共存共栄を目指しています。地域社会を巻き込んだコミュニケーションやネットワークの深化・拡大は、1つの信用金庫だけで実現できるものではなく、全国の信用金庫や各種支援機関等が連携して取り組む必要があります。信金中央金庫では「しんきんdirect」のような全国的なデジタル上のプラットフォームを今後も発展させていきたいと考えています。そうした信用金庫業界の多様なネットワークとコミュニケーションを拡大することを通じて、「ネットワーク・トランスフォーメーション(NX)」の実現を目指しています。

※記載内容は2021年7月時点のものです。

関連導入事例

新着導入事例