紙の図面や回覧板などアナログな伝達から「direct」にデジタルシフト
ビデオ通話や写真・テキストの共有でメンバー全員が正確な現場状況を把握し、土木現場の業務変革につながった
株式会社佐藤建設工業
- 工務部
土木次長
千田 一哉 様
- 構造改革室
室長
千葉 大輔 様
- 工務部
土木課主任
馬場 龍介 様
- 工務部
工事係
小泉 紘太郎 様
株式会社佐藤建設工業は、青森県六戸町で総合建設業を営んでいます。昭和18年の創業以来、青森の県南地域を中心に、土木工事や建築工事など、公共工事から民間工事に至るまで数多くの施工実績を重ねてきました。同社では現在、青森県から発注された環境整備工事や砂利道を舗装する道路改良工事に取り組んでいます。
近年ではICT施工も積極的に取り入れており、効率的な施工管理に強みを持っています。複数の協力会社とも力を合わせて事業を展開している同社では、現場でのコミュニケーションに課題を持っていました。今回は、導入推進のご担当者さまと工事担当の方々に「direct」の導入でどのようにコミュニケーションが変わったのか、お話を伺いました。
POINT
課題
導入の
決め手
活用・効果
絶え間ない電話対応に忙殺されていた
⸺「direct」導入前の社内コミュニケーションはどのようにおこなっていましたか?
電話やメール、回覧板を使用していました。特に電話は多用しており、現場管理者にとっては業務時間の中で電話をしていない時間の方が短いくらいでした。複数の協力会社さんへの連絡などは同じ内容を何度も伝える必要があるため、常に電話を握っているような状態であったことも。現場事務所での業務中に電話が入って集中力が削がれ、作業が中断することもよくありました。
社内での情報共有に用いていたのは手書きの回覧板でした。各自が確認して押印し、次の社員に回す形だったので、後で情報を見返すことは容易ではありませんでした。見返す必要がありそうな資料は回覧の際にスキャンするなど、回覧板を作成する側だけでなく読む側も負担が大きかったのです。
⸺現場まわりでのコミュニケーションに課題はありましたか?
課題感を強く持っていたのが、現場でのコミュニケーションです。現場作業員に指示を出す際には、現場を訪問して口頭で伝えていたため莫大な時間を費やしていました。逆に、現場の進捗状況を把握したり課題を吸い上げたりする際にも、現地に行って直接情報を得る必要がありました。
現場作業員との口頭でのやりとりだけでは、後から情報不足に気づいたとしても、もうその時には相手がその場にいないため確認できないなど、リアルタイムな意思疎通ができないこともあります。よって、現場に行って直接指示を出すのが結局のところ最も効率的だったのですが、現場によっては事務所から車で30分ほどかかってしまうこともあります。1つの指示を出すだけなのに行き帰りを含めて1時間くらいかかるので、管理者としては負担に感じていました。
確認のハンコが既読・未読機能に置き換わった
⸺「direct」はどこでお知りになられたのでしょうか?
弊社では、施工管理の効率化の観点から、ドローンやGNSS(衛生)を活用したICT施工を実施しています。その一環で、現場をカメラで撮影してWeb会議システム等で遠隔地から作業状況を確認する「遠隔臨場」を数年前から実施してきました。そのシステム検討関連でお世話になっているテクノルさんにご紹介いただき、「direct」を知りました。社内での情報共有に課題があったこともあり、コミュニケーションツールとして「direct」を利用することになりました。
⸺「direct」導入の決め手を教えてください。
個人ごとに既読・未読を確認できる機能があったことです。未読の人へ個別にフォローできるのは便利だと考えました。さらに、ビデオ通話も使えるほか、さまざまな形式のファイルを手軽に共有できる点や、アプリをダウンロードして自分のスマートフォンで使える点も魅力に感じました。
⸺「direct」を導入するときに、工夫された点はありますか?
いえ、特に無いんです。操作が簡単なので抵抗感も無く、手軽に使うことができています。むしろ「なんでもっと早く導入してくれなかったんだ」という声が上がっているくらいです。電話対応に追われていたり紙の回覧板が回っていたりしていた中で、効率化するツールをもっと早く導入しておけばよかったと感じています。
ビデオ通話機能やドローン画像の活用で正確な指示
⸺「direct」の使い方について教えてください。
ビデオ通話や画像を使って、現場の状況をリアルタイムで共有しています。ビデオ通話では、「もう一歩下がって全体を見せてほしい」「もう少し上を写してほしい」といったやりとりも可能で、現場の確認が簡単になりました。現場作業員や経験の少ない若手監督の不明点や疑問点を、ビデオ通話で見せてもらいながら具体的に指示をして解決することもできます。画像の送受信も活用していて、写真への書き込み機能も駆使した上で「この土はどうすればいいですか」といった内容を画像で送り合うほか、ドローンで撮影した画像や、図面や書類データを送ることもあります。
⸺「direct Apps」のスケジュール機能も活用していただいていると伺っています。
発注者さんが現場を訪問する日程や、代休など変則的な休暇をスケジュールに登録しています。代休については「direct」で共有する仕組みになっているので、「打ち合わせはこの日にしましょう」などとスムーズに調整できます。
現場の訪問頻度が減少、本来の管理業務に集中
⸺「direct」導入後、どのような効果がありましたか?
回覧板の場合にはハンコで確認していたものが、「direct」なら既読・未読がわかるので誰が情報を確認したかが即座に把握できるようになりました。以前は回覧板の作成に15〜20分かかっており、また誰かが回覧板を止めてしまうことも多く、回覧が完了するまで1週間以上かかることもありました。それが今では、「direct」のノートに貼り付けるだけで済みます。情報を共有する手間が大きく削減されました。
また、現場で使用する図面の共有も非常に楽になりました。以前はA3サイズの紙に図面を印刷して持ち歩いていましたが、今はPDF化したデータをノートに添付して共有するだけで済みます。細かい数値を拡大して確認することもできますし、雨濡れ防止のラミネート加工や、図面が更新された際の刷り直しといった手間の削減にもつながりました。
「direct」で一斉周知できることにより、同じ内容の電話を何度もかける必要もなくなりました。かける側にとっても受ける側にとっても負担だったのですが、必要最低限の電話をするだけでよくなり、作業効率が大幅に上がったことを感じています。
⸺管理者が現場に行く手間も省けているのではないでしょうか?
はい、事務所と現場との移動頻度が下がりました。以前は現場の状況確認や指示伝達のために1日数回現場を訪れる必要があり、日中はほとんど事務所外にいることが多かったものの、「direct」を活用することで、以前よりも事務所での管理業務に充てる時間を確保できています。1回で1時間程度、1日に何度も現場と事務所を行き来する日もありましたので、現場を訪れるだけで数時間取られていた計算になります。このような移動時間の削減に加えて電話に忙殺されることもなくなったので、安全管理や工程管理、品質管理や進捗の積み上げといった管理者としての業務に集中できています。
現場作業者とのコミュニケーションが漏れなく正確に
⸺コミュニケーションの質に変化はありましたか?
情報の伝達ミスや誤解が減り、業務の効率化が図られています。たとえば以前は、管理者が現場に行けないときには電話でのコミュニケーションで済ませることもありましたが、視覚情報がないためにミスが起こってしまうこともありました。結局、翌日以降にそのミスを修正しなければならず、進捗に悪影響が出てしまうこともありました。
遠隔でも画像や動画を駆使したコミュニケーションが可能となったので、そうしたミスの減少につながっていることを感じています。作業の日付などは、口頭だけでなく「direct」で送ることにしています。「direct」なら検索機能も使いながら情報をいつでも見返せるので、確認不足や勘違いが起こりづらくなり、「言った言わない問題」も減りました。現場と事務所の間のコミュニケーションが円滑になり、効率的な業務運営が実現しています。
⸺ありがとうございます。最後に今後の展望について教えてください。
現在の利用を続けつつ、業務効率をさらに上げるために「direct」のさまざまな機能の活用を考えています。現在はタイムカードで管理している勤怠管理や、休日出勤の連絡などを効率化していきたいですね。
「direct」を使いこなすことで、より効果的な業務運営を実現し、会社全体の生産性を向上させることが目標です。
※記載内容は2024年6月時点のものです。