クリニック運営の効率化と安全性を両立
シフト制でもヒヤリハットや議事録を即時共有

医療法人かべした心療内科クリニック
- 理事長 院長
壁下 康信 様
かべした心療内科クリニックは、2024年7月に開業した、大阪府箕面市にある心の健康をサポートするクリニックです。「あなたらしさを取り戻すために心に寄り添うクリニック」という理念のもと、相談しやすい温かい雰囲気の中で、患者様との対話を大切にしています。
また、プライバシーに配慮し、お名前ではなく番号での呼び出しを徹底、お薬の処方は体の負担を考えて最小限にするなど、患者様一人ひとりに寄り添った診療をおこなっています。
箕面萱野駅から徒歩3分のショッピングモール内という利便性の高い立地にあり、土日診療や当日初診にも対応しているため、老若男女関係なく、忙しい方でも通いやすい体制を整えています。
今回は、そのような「患者様の心に寄り添うこと」を何よりも大切にしている同クリニックの壁下院長先生に、「direct」がどのように活用されているのか、お話を伺いました。
※聞き手:MICTコンサルティング株式会社 大西 大輔様。医療現場へのICT普及を推進しており、今回は現場向けチャットツール「direct」の導入にお力添えいただきました。



POINT
課題
導入の
決め手
活用・効果
患者様に寄り添う医療のための環境づくり
⸺かべした心療内科クリニックを開業した理由や経緯を教えてください。
以前は、別のクリニックを引き継ぐ形で院長として勤務していましたが、患者様のお悩みにより柔軟にお応えできる体制を整えたいと考えていました。そこで、スタッフの人員を増やす必要性を感じていたところ、新設されるショッピングモール内にクリニックモールが出来るという情報を入手しました。利便性の高いこの場所なら、広いエリアから多くの方に気軽に来院いただけると考え、2024年7月に現在の箕面萱野駅近くに移転、開業しました。
⸺先生が大事にされている理念はありますか?
心の悩みを抱えている方にとって、そのつらさは計り知れないものです。そこに常に寄り添っていくことを一番大切にしています。私は学生時代から人の心や心理現象に興味がありました。自分が役に立てるところは何かと考えた結果、精神医学の道を志すようになり、睡眠や認知症を中心に研究してきました。

課題はシフト勤務による情報格差
⸺移転後、クリニックの環境にどのような変化がありましたか?
一番大きい変化は、スタッフの数が3倍に増加したことです。患者様の多様なニーズにお応えするために、医師だけでなく、心理士、看護師、事務員などのスタッフも大幅に増員しました。現在は全部で13~14名のスタッフが勤務しています。
⸺そうした変化に伴い、どのような課題がありましたか?
スタッフの数が増えると、どうしても共通認識を持つことや情報共有が難しくなってきます。当院は、平日だけでなく土日の診療にも対応しているため、勤務がシフト制です。今日出勤したスタッフの次回の出勤日は1週間後、あるいは1か月後ということもあり、情報伝達にタイムラグが生じやすい状況でした。月に一度の定例会議で情報共有をおこなっていたものの、タイムリーかつ公平に情報を共有していくには限界がありました。
また、プライベートで利用しているチャットツールでは、誤送信や情報漏洩といった安全性に対する不安がありました。こうした背景から、セキュリティも確保されたサービスを探していた中で「direct」をご紹介いただき、導入に至りました。

医療現場に適した運用で
ヒヤリハットや議事録をタイムリーかつ確実に共有
⸺directはどのようにご活用いただいていますか?
当院で働くスタッフ全員が参加するトークルームを活用し、日々の業務に関する連絡事項を「direct」上でやり取りしています。月に一度おこなわれる会議の議事録ファイルをはじめ、薬の注意事項や電子カルテのシステム変更といった情報も「direct」で共有しています。さらに、即時共有が鍵となるヒヤリハット報告書の共有にも活用することで、事故を防ぐ体制を整えることができました。
特に、ノート機能を活用しているのですが、他のメッセージに埋もれることなく情報を書き留めておけるため、シフトのタイムラグがあっても、見落としくなくタイムリーに情報共有できるようになったと感じています。


⸺特に便利だと感じている点はありますか?
安全性の高い環境下でタイムリーな情報共有ができる点が非常に良いです。トークルームの自由度が高いので、用途によって使い分けることができる点も、運用の便利さにつながっています。既読・未読機能で誰が見たか、見ていないかまでわかるのは便利ですね。もし未読のスタッフがいたら、確認しておくよう個別に指示が出せるため、重宝しています。
⸺医療業界ならではの使い方はありますか?
患者様のプライバシーに最大限配慮するため、トーク上でも患者様のお名前は出さず、IDでやり取りしています。「direct」は十分安全性の高いサービスだと思いますが、私たちは患者様の個人情報を扱う立場として、情報管理には細心の注意を払っています。特に心療科にいらっしゃる患者様はクリニック内で名前を呼ばれることも、精神的なご負担になる場合も少なくありません。ここは徹底していますね。

情報が「direct」に集約され、クリニック運営が効率化
今後は院外関係者とも活用していきたい
⸺「direct」を導入したことでどのような効果がありましたか?
「direct」を導入したことで、スタッフ間の情報共有がスムーズになり、クリニックの運営が効率化されたと感じています。連絡事項や議事録、ヒヤリハットといった情報が「direct」に集約され、どこにいてもタイムリーに確認できるようになったことが、安心感につながっていますね。
⸺「direct」の今後の活用について、ご検討されていることはありますか?
院内だけの活用にとどまらず、院外の関係者とも活用できれば、さらに便利になると感じています。
また、今後は他の機能も活用し、スタッフのコミュニケーションを強化していきたいです。クリニックの運営がさらに効率化されることを期待しています。
※記載内容は2025年4月時点のものです。