運輸・交通

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「direct MultiView」で複数便の状況を正確に把握

ANAエアポートサービス株式会社

  • 総務・企画部 経営企画課
    長谷川 碧 様

羽田空港内でグランドハンドリング、旅客ハンドリング、運航支援などの地上支援業務を担当するANAエアポートサービスでは、分刻みの運航スケジュールの中、搭乗者や手荷物、機体整備などに関する情報共有に「direct」を活用。「安心と信頼」のサービスの提供に役立てています。同社総務・企画部の担当者に「direct」活用事例やメリット、今後の要望などをお聞きしました。

POINT

課題

導入の
決め手

活用効果

ビジネスチャット導入のきっかけ

当社の旅客業務では、出発工程管理担当(PI)、搭乗口担当(GI)、手荷物の搭載担当(FI)等の部署内、また部署間で膨大な情報のやりとりが行われます。従来はトランシーバーや電話、スマートフォンのボイスミーティング等「声」によるコミュニケーションで情報交換、意思疎通が行われていました。

しかし、電話は一対一のやりとりで、内容をほかの人が確認することはできません。トランシーバーではひとつのチャンネルで常に3つぐらいの話が同時並行しており、声の違いで誰が話しているか判断し、自分が担当する便の情報を得なくてはなりません。また、緊急で伝えなければならないことが起こった場合、会話に割り込むこともあります。自分が話していない時は聞き流してしまうことも多く、いわゆる「言った、言わない問題」になることもありました。

また、私たちの業務では決まったデスクで仕事をする人が少なく、社内のスマートフォンも番号と使う人が固定されているわけでないため、誰がどの電話を使っているのか分からないことが多い。搭乗口担当者のスマホが鳴ってもお客様と話をしていて出られず、意思疎通に支障が出ることもありました。

これら、混乱しがちな空港内のやりとりを整理して情報共有を円滑に行い、また、メッセージを文字で残して後から検証できるようにするといった目的から、ビジネスチャットの導入を検討することになったのです。

「direct」を選んだ理由と導入後の変化

はっきり決め手を挙げるのは難しいのですが、複数のソフトを総合的に比較検討し決定しました。当社には特殊な現場環境があることから、パッケージされているのではなく、業務の実情現場に合わせて改善してもらえること、また、セキュリティも重要なポイントといえます。

「direct」導入後は便ごとにトークルームを設置し、各部署の担当者がやりとりしています。一人ひとりがログインIDを持っているため誰が発言しているかがわかり、既読・未読メンバーが一覧表示されることでメッセージが伝わっているかどうかも一目瞭然になりました。

電話とは異なり、相手の都合に関わらずすぐにメッセージが送れるのもメリット。例えば飛行機の下で搭降載作業を行っているスタッフに対して「今連絡しても大丈夫なのかな」といったことを気にする必要もなくなりました。

言い間違い、聞き間違いの問題も起こりにくくなりました。例えば口頭だと間違えやすい「699」と「669」等、数字の伝達はとくに助かっています。文字や数字を打ち込むのは口頭よりも時間がかかる面もありますが、入力に慣れて定型文などのルールができるうち、ストレスを感じないほどにスピードと精度が上がっています。

画像の送付も便利です。整備作業の状況やコンテナの番号、お客様の手荷物の状態などについて報告しなければならない場合は、写真を共有することでより正確でスピーディになります。写真には文字を書きこむといった加工もでき、状況をより詳細に伝えることが可能です。

「direct MultiView」で複数便の状況を正確に把握

管理担当として司令を出す人は、常に3便から4便の状況を把握する必要があります。そこで便利な機能が「direct MultiView」。 チャットルームが複数開ける機能で、各便の状況を同時に混乱することなく見ることができます。

その際、想定外のトラブルに気づくために役に立つのが「キーワード監視」です。空港でイレギュラーな出来事が起きた際に使われるワードはほぼ決まっています。「direct」では、チャットでキーワードが入力されるとアラートが上がるよう設定でき「direct MultiView」で他のルームのやりとりに集中している際も見落とすことがありません。重大な問題「かもしれない」というレベルで、早期に対応できるようになりました。

「Yes/Noスタンプ」で入力作業を簡略化

PCよりスマートフォンでの文字入力は時間がかかり、ストレスを感じることが多いものです。そこで役立つ機能が「Yes/Noスタンプ」。簡単な質問への答えをワンクリックで済ますことができます。当社には20代の若い社員が多くスタンプを使うことに慣れているため、すぐに利便性に気づき活用するようになりました。

私自身の話をすると、当初は「チャットはプライベートで使うもの」という固定概念があり、スタンプの利用も不真面目に見えるのではないかと抵抗がありました。スマートフォンを使っている姿がお客様からどう見られているのか、という不安もありました。しかし今は、不安のほとんどは思い込みにすぎなかったと感じています。導入後1〜2ヶ月経つと「direct」がないと仕事ができないと思うようになりました。

社内のコミュニケーションが円滑化

意外な効果として、コミュニケーションの空気感が改善したことがあります。今までは相手の名前も知らず声だけ聞いて、いきなり本題から話し始める形で仕事をしていました。「direct」では最初に「◯便を担当します〇〇です」と名乗ってからトークに参加するルールにしたこともあり、普段顔を合わせない部署同士のつながりができ、気持ちよく仕事ができるようになりました。私も「direct」でのやりとりの雰囲気は大好きですね。

「direct」に期待すること

業務手順などの簡単なマニュアルにボットの機能が利用できないか検討しています。業務マニュアルは分厚い紙のものがあり、紙には紙の利便性があるのですが、デジタル化、自動化できる部分と併存し、効率的に使い分ける最適な形を考えていきたいと思っています。

現在当社では、全社員へのタブレットの支給が進んでおり「direct」がプラットフォームとして別システムとの連携がますます進むものと考えています。例えば搭乗ゲートのチケットのロール紙等、備品や在庫の補充のためのシステムとの連携など、可能性がますます広がっていくのではないかと期待しています。

※記載内容は2019年6月時点のものです。

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