情報共有のDX事例

建設現場では工事の進捗状況や施工の品質を把握するために、毎日、数百・数千におよぶ大量の写真や動画がデジタルカメラやスマートフォンで撮影されています。しかしながら、撮影した写真や動画の管理・共有に課題を抱えている企業も多く存在するといわれています。

情報共有のDXイメージ

建設業の情報共有の課題

建設業における写真、動画の管理や情報共有には下記のような課題が存在します。

  1. デジタルカメラやスマートフォンから会社のPCへのデータ移行が手間
  2. 黒板や写真を報告書にまとめるのに時間がかかる
  3. 撮影の手順や保存の仕方を教えるのが面倒

もしこれらの写真や動画を個々で管理・作業するのではなく、一つのクラウドサービス上で適切に管理・共有することができれば、情報共有の改善に次のような大きな効果が望めるのではないでしょうか。

  1. 撮影からPCへのデータ移行、報告書の作成、共有に至るまでの作業効率を改善できる
  2. 特定の端末にデータが残ることによるセキュリティリスクを回避できる
  3. 工事の進捗状況をリアルタイムで把握できる
  4. 印刷の手間が省け、ペーパーレス化を実現できる
  5. 工事記録を残し、後から検索できる

それでも、サービスの機能が便利なのは分かるが、なかなか現場では使いこなせない…と思われる方は多いかもしれません。しかし、そういった工事現場に導入され、すでに大きな成果をあげているケースもあります。次のような操作性をもっていることで、現場に関わる多くの人が簡単に写真や動画を共有することができます。

  1. デジタルカメラではなくスマートフォンで撮影するので、教育の必要がない
  2. 撮影するだけでクラウドにアップされるので、データ移行の手間が発生しない
  3. 撮影データを自動的に整理してくれるので、確認・仕分けの必要がない
  4. 撮影データから自動的に黒板や報告書を作成してくれるので、大幅な時間短縮になる
  5. 撮影データのバックアップが自動的におこなわれるので、喪失の心配がない

複数拠点から複数拠点にリアルタイムで情報を共有することは、インターネットが得意とする領域です。こういったサービスの導入が情報共有のDXとして、今後も増えていくことが予想されています。

導入のポイント

情報共有のDXについて、導入の際に注意するポイントとしては下記が挙げられます。

1.誰でも簡単に使えること
工事現場では、様々な年代・職種・国籍の方々が働くことが想定されます。また、大きな端末を持ち運ぶことが難しくスマートフォンくらいのサイズが適切です。操作を教わらなくても、すぐに使い方が分かるようなスマートフォンのアプリ形式が望ましいでしょう。
2.セキュリティが高いこと
現場写真は秘匿性が高い情報になるため、企業としても厳重な管理が求められます。また写真データはテキストに比べ、データサイズも大きく保管や管理に大きな負荷を要します。無料サービスに託すには大きなリスクがあり、権限管理やインフラ(ハードウェア・サーバなど)においても強固なシステム要件が求められます。
3.現場に特化した機能があること
黒板や報告書作成など、工事現場特有のルールや書式に対応したサービスであれば、作業員にも馴染みやすく、何より実際に使ってもらえる確率が高くなります。もちろん、機能が豊富であっても使いこなせなければ意味がないので、事前に同業種での事例をしっかり見聞きしておくことが重要になります。

強固なセキュリティやインフラの重要性に加え、実用的に現場で使えるかどうかを、しっかり確かめておくことがポイントになります。

DX事例

建設現場で撮影した写真をいつまでたっても送ってもらえない

現場での写真管理は、デジタルカメラやスマートフォンの普及に伴い近年新しく増えた業務ともいえます。ただ便利な反面、せっかく機材を支給していても、作業員によっては写真の送信が遅れたり忘れたりということが多いようです。その原因としては「手間がかかるから」「PCが苦手だから」など色々考えられます。
そこで、そもそもの「送る」といった手間自体をなくしてしまうという解決法も考えられます。

例えば、このような解決法です。

  1. 使いやすい端末を支給する(スマートフォンが最適)
  2. 撮るだけで共有できるアプリを利用する
  3. 別途保存やバックアップをしなくていいクラウドサービスを使う

上記をすべて備えるサービスを選ぶことで、作業員個々で「送る」「保存する」などの属人的な工程をなくしてしまえば、工事の進捗状況の把握に時間差もなくなり作業ミスも大幅に削減できます。

上記に対応するクラウドサービスはこちら

建設現場で撮影した膨大な写真のフォルダ分けに時間がかかる

建設現場によっては、撮影する写真点数が多かったり写真ごとのファイルサイズが大きかったりなど、撮影データが膨大になってしまいがちです。またフォルダごとに分けるといったルールを採用していると、PCにデータを移行する作業に加え、フォルダに振り分ける手間が発生します。工数が増え手間もかかる上に、作業ミスが発生しやすいルールであることは否めません。

そこで発想を変え、フォルダ整理をやめて「タグ整理」を採用してみてはいかがでしょうか。タグ付けが可能なサービスを利用することが前提ではありますが、タグで管理することで下記のメリットが生まれます。

  1. フォルダごとに振り分ける分類作業をしなくていい
  2. 場所・日付・黒板・担当者などのタグをつければ、後で探しやすい
  3. 1枚の写真に複数のタグをつけることができる

フォルダ分けは、予想以上の手間とミスを呼び込む作業です。この機会にぜひ「タグ管理」ができるサービスをチェックしてみてください。

タグ管理に対応するクラウドサービスはこちら

緊急なのに建設現場の欲しい写真がすぐ見つからない

現場で写真を撮影して各自のスマートフォンやPCの中にデータを保存している…といった状況では、すぐに探すことは難しい上に、紛失の可能性も高くなります。また、一箇所にまとめていたとしても、きちんと整理されていなければ、1枚の写真を探すために都度目視に頼らざるを得なくなります。その探している手間をトータルでみると、膨大な時間を無駄にしていることにはならないでしょうか。
緊急の時は尚更困ることになるでしょう。そうならないためにも、あらかじめ検索機能やデータ整理機能など「探しやすい」機能を備えているサービス上で、写真を蓄積しておくことが重要です。

サービス選定のポイント

  1. 複数拠点の写真をクラウド上で一箇所に集約できること
  2. 検索やデータの整理など探しやすい機能があること
  3. 万が一のために一括ダウンロード機能があること

単なる保管するだけのクラウドサービスではなく、実際の現場利用を前提にした上で「探しやすいかどうか」を確かめることが重要です。

建設現場での利用を想定し探しやすさを追求したクラウドサービスはこちら

文字だけの共有には限界があり、効率は悪くても紙を配っているが見てくれない

多くの建設現場で聞かれるのが「チャットなどの文字コミュニケーションがなかなか浸透しない」や「紙で印刷して配っても結局見てくれない」といった声です。
スマートフォン自体の画面が小さく、文字が見にくいから嫌だ…といった事情もあるでしょう。また、紙で印刷した文字は読みやすいとはいえ、文字数自体が多いだけで敬遠されることも多いようです。
とはいえ、しっかり共有できていなければ、作業ミスによる遅延や安全対策に関わる事故などどんなトラブルに発展するか分かりません。

そういった声に対応するサービスも登場してきました。

  1. 文字だけでなく「動画」で共有
  2. 企業向けに最適化されたセキュリティ仕様
  3. 検索や編集などを自動でおこなう機能

5Gなどの通信環境が整ってきたこともあり、動画のような大きなデータもストレスなく現場で共有できる時代が到来しそうです。自社の教材やノウハウの蓄積に動画を活用することが、これからの建設業界では広まっていくことでしょう。

企業向けの動画共有クラウドサービスはこちら

テロップ挿入など編集が大変で動画活用が広がらない

動画に取り組もうと始めてみたものの、動画編集が大変で外注もコストがかかり結局止めてしまった…ということはありませんか。音声なしで観るユーザーのためには「テロップ挿入」も大事といわれていますが、文字の打ち込み作業などが追加となり、さらに手間はかかります。とにかく動画編集は、知識に加え何よりも「時間」がかかる作業なのです。

しかし、近年のAIとインフラの進化もあり、動画編集も大きな進歩を遂げています。提供されているスマートフォンのアプリ経由で撮影することで、チャプター編集からテロップ挿入までを自動で行ってくれるものもあります。

近年の動画編集アプリの特長

  1. 撮影しながらチャプター分けができる
  2. 自動でテロップ(字幕)がつけられる
  3. 業界特有の用語にも対応している

動画編集を外注することなく社内で完結できることで、大きなコストダウンとスピードアップにつながります。

編集が手軽にできる企業向け動画共有サービスはこちら

社内で蓄積したナレッジを、外部に漏洩させたくない

ベテラン社員が蓄積したノウハウを若手社員の教育に活用したいというニーズは多い反面、ノウハウを外部には知られたくないという事情もあります。

一方でドキュメントや写真など何らかの形でノウハウを蓄積していかない限り、ベテラン社員のもつノウハウを失うリスクはいつまでも解消されません。

せっかく社内で蓄積したノウハウを社外に漏洩させないためにも、まずはクラウド上でのしっかりとしたセキュリティ体制の構築が必須となります。同時に、運用上でのチェックもとても重要です。権限の付与や社員の在籍状況をしっかり把握し、退職した社員などがいつまでも閲覧できるような状態は避けるべきです。
ただ、社内用の動画の一部を外部パートナーの教育やマニュアル共有にも活用したいというケースは多々あるので、外部共有機能はあった方が便利といえます。

外部に漏洩させないための運用ポイントには下記が挙げられます。

  1. 十分なセキュリティ体制を備えたサービスであること
  2. 退職社員などの権限管理を含めた運用チェックを行うこと
  3. 外部公開時にパスワード付きURL発行など動画ごとに閲覧権限の設定を行うこと

クラウド上での漏洩防止に関しては、機能と運用のバランスが何よりも重要といえます。まずは、しっかりとしたセキュリティ体制のあるサービスをお選びください。

上記のポイントを備えた企業向け動画共有サービスはこちら

工事現場への連絡や注意喚起を時間や場所を選ばずに行いたい

時間や場所を選ばず作業員への注意喚起を行うために、今までは朝礼や黒板の活用が中心でした。しかし、近年ではさらに便利な「サイネージ」と呼ばれる大型の液晶やプロジェクターを使った情報伝達媒体が、屋内・屋外を問わず工事現場で活用されています。

サイネージには下記のメリットがあります。

  1. 情報の伝達がリアルタイムで迅速かつ効率的
  2. 動画や音声を使えるため認識されやすい
  3. 表示期間を設定し、即時更新・予約更新を選べる

サイネージは工事現場で下記の成果をあげています。

  1. 天候やスケジュールなど、注意喚起や急な予定変更などの速やかな告知
  2. 気温と連動した熱中症予防など、作業員の安全意識向上
  3. 紙の印刷配布などが必要なくコスト削減
  4. 図面を使った説明などが大画面で可能になり、情報共有の質が向上
  5. 遠隔操作が可能なので、現場のリソースを割くことなく連絡が可能

現場のまとまりは「伝達力」で決まるといえます。最新のテクノロジーを活用して、ぜひ現場の質をあげていきましょう。

工事現場で使えるサイネージはこちら

情報共有におけるDXのメリットは、業務効率化・ミス低減・生産性向上・安全性の向上・コスト削減など多岐に渡ります。特にコミュニケーションツールを軸にサービスを選ぶことで、さらに強固なものとなります。ぜひ建設業に特化し様々な機能を備えたソリューションをお試しください。

資料請求

ページトップ