既読がつかないビジネスチャットで起こりうる3つのリスク

数あるビジネスチャットの中でも、既読がつかないツールを選んだ場合に起こりうるリスクは次の3つです。

  • メッセージを読んでくれたかどうかが分からない
  • 業務の停滞を引き起こしかねない
  • 人間関係に影響を及ぼすケースがある

いずれも経営に影響する要素ばかりです。ここでは、リスクごとの詳しい内容をみていきましょう。

1.メッセージを読んでくれたかどうかが分からない

既読がつかないビジネスチャットの場合、こちらから送信したメッセージを相手が読んでくれたかどうかが分かりません。そのため、メッセージを読んだかの確認をとったり、メッセージを再送したりといった手間が生じる可能性があります。

一方、既読が分かるビジネスチャットの場合は「既読」か「未読」を送信側から判断できるため、確認に要する手間が生じません。

2.業務の停滞を引き起こしかねない

既読がつかないビジネスチャットを選ぶと、業務の停滞を引き起こしかねません。業務の中では日々多くのメッセージを受け取ります。

ただし、これらのメッセージは緊急性や重要度に関わらず受信するため、対応を要するメッセージを見逃してしまうケースも少なくありません。

一方、既読機能があるビジネスチャットであれば送信側からも「未読」であることが判断できるため、確認や返信を催促することも可能です。その結果として、重要な業務の停滞を未然に防げます。

3.人間関係に影響を及ぼすケースがある

既読の機能がないことで、組織における人間関係に影響を及ぼすケースもあります。メッセージの返信に関する考え方は人それぞれです。

「了解しました」や「承知いたしました」といったリアクションを求める方もいれば「返信が必要な場合のみで良い」と考える方もいます。これらの考え方の違いによって「返信をしない人」として不要なレッテルを貼られ、人間関係がこじれるケースもあるのです。

管理職にメリットが大きい3つの理由

成果への責任やメンバーの管理を求められる管理職にとって、既読が分かるビジネスチャットの導入は多くのメリットをもたらします。主な理由は次の3つです。

  • 1.伝えたい情報を確実に届けられる
  • 2.エビデンスとして使える
  • 3.安否確認や一斉通知に役立つ

ここでは、理由ごとの詳しい内容について解説します。

1.伝えたい情報を確実に届けられる

管理職の役割は多岐にわたります。組織が生み出す成果を最大化することはもちろんのこと、人材育成やリスク管理、適切な人材配置などさまざまな部分にまで気を配らなればなりません。

そのため、今伝えるべき情報は然るべきメンバーに確実に届け、個人と組織を動かし続ける必要があるのです。その点、既読機能があるビジネスチャットがあれば、情報が伝わったかどうかを不安に感じることなく、管理職として本来やるべき業務に集中できる環境を整えられます。

2.エビデンスとして使える

社内・社外問わず、チャットの内容が既読であることが分かれば、エビデンスとして使えます

たとえば、既読機能のないビジネスチャットで取引先と重要な内容をやりとりする場合、「この部分は聞いていない」や「そもそも目を通していない」といった不要なトラブルを招きかねません。

一方、既読機能があれば、既読であることをエビデンスとして提示し、思わぬトラブルを未然に防止することも可能です。

3.安否確認や一斉通知に役立つ

個人単位で既読を確認する機能は、災害などの有事の際の安否確認にも役立ちます。また、不慮の事故などが起きてしまい返信が難しい状況下にあっても、既読さえついていればその後の対応の目処が立ちます。

さらに、社内における重要事項を一斉通知した場合にも、既読機能があれば「未読」のメンバーだけに確認を促すことが可能です。一斉通知に対する返答は不要とするルールを設けることで、コミュニケーション効率の向上も期待できます。

既読機能を社内のマナーやルールとして盛り込むための活用法

既読が分かるビジネスチャットを導入するメリットは多くあります。しかし、既読機能をプレッシャーや負担として感じる方がいるのも事実です。

そのため、社内のマナーやルールとして既読機能を上手く盛り込む必要があります。代表的な活用法は次の3つです。

  • 業務時間外は読まなくてよいルールを設ける
  • 大人数が参加するチャットでは既読がつけば返事を不要にする
  • 社内では「さん」「お疲れ様です」を使わない

ビジネスチャットを社内にスムーズに浸透させるためにも、上手く活用していきましょう。

業務時間外は読まなくてよいルールを設ける

既読が分かるビジネスチャットを上手く導入するには「業務時間外は読まなくてよい」というルールを設けるのも方法の1つです。

前述の通り、既読機能による返信に対してのプレッシャーを負担として感じる方は一定数で存在します。また、チャットはいつでも送信や確認ができる反面、送付時間によっては労務管理の観点で問題にもつながりかねません。

そこで、導入段階で業務時間外に来たメッセージは翌日の業務時間内で見ればよいことをルール化することで、返信へのプレッシャーを軽減できます。

大人数が参加するチャットでは既読がつけば返事を不要にする

ビジネスチャットを利用する際は個別でのやりとりだけでなく、複数人が参加するグループを作ってやりとりするケースも少なくありません。場合によっては、重要事項を周知するために従業員全員が参加するグループを作ることもあるでしょう。

このように大人数が参加し情報が一方通行のチャットでは、既読がつけば返事を不要にするルールがおすすめです。単純に返事の手間が省けるだけでなく、返事だけが連続するチャットになることも防げます。

その結果として、重要情報が埋もれることなく常に目につくチャットを作り出せます。

社内では「さん」「お疲れ様です」を使わない

これまで社内連絡をメールで行っていた企業がビジネスチャットを導入する場合、メッセージの冒頭に「お疲れ様です」や「お世話になります」といった言葉を含めがちです。

しかし、スピーディーかつ効率的なやりとりがメリットであるビジネスチャットにおいては、これらの挨拶は不要といえます。

さらに、メッセージを読んでほしい相手を指定するメンション機能に「さん」をつけるケースも多くあります。こちらも使わないと決めることでビジネスチャットがさらに気軽なツールとなり、社内への浸透を早めてくれるでしょう。

まとめ

既読機能がないビジネスチャットはメッセージを読んでくれたかどうかが分からず、人間関係や業務効率の悪化を引き起こしかません。

企業で使うビジネスチャットは、既読機能があるものを選ぶことで伝えたい情報を確実に届けられ、成果への責任やメンバーの管理を求められる管理職の助けにもなります。

さらに、返信方法や対応時間などをルール化すれば、管理職だけでなく一般の社員もその恩恵を受けられるでしょう。これからビジネスチャットを導入し、業務の効率化や社内コミュニケーションの活性化を目指すなら、ぜひ既読が分かるツールを選んでみてください。